忙しいけど、幸せ。今”この瞬間”が、プレゼントーー『プレゼント』を読んで

読書記録

育児をしていると、1日があっという間に過ぎていきます。
特に0歳児を育てている今、赤ちゃんとふたりきりで過ごす日中は、
家族以外の誰とも話さずに一日が終わることも珍しくありません。

「お皿を洗わなきゃ」「次は洗濯物を取り込んで…」「そろそろ夕飯の準備も…」
そんな“やらなきゃいけないこと”が頭の中をぐるぐるしていて、心が落ち着かない日もあります。

でも、そんなときにふと我が子がこちらを見て、ニコッと笑ってくれるのです。
その笑顔にハッとさせられて、「あ、いまこの瞬間って貴重なのかも」と気づかされる。

だけどすぐにまた現実に引き戻されてしまう…そんな繰り返しです。

『プレゼント』という本との出会い

スペンサー・ジョンソン著『プレゼント』は、そんな私の日常の中に、静かに、
でも力強く入り込んできました。

この本に出てくる「プレゼント」とは、

“過去を学び、未来を計画しながらも、今この瞬間を生きること”

という考え方を軸にしています。

シンプルだけれど、その言葉の本当の意味を自分の生活の中で実践するのは、
簡単なことではありません。
でも、育児のように「思い通りにならない日々」を過ごしているからこそ、
このメッセージがすとんと心に落ちたのかもしれません。

イヤイヤ期もまた、“今”であるということ

現在、上の子は2歳。絶賛イヤイヤ期の真っ只中です。
毎日いろんなことに「イヤ!」と全力で主張してきて、
こちらもつい、イライラしてしまう日もあります。

でも、よくよく考えてみたら、「イヤ」と言えるのはすごいことなんですよね。
自分の意思があって、自分の言葉でそれを伝えようとしている。
それって、まさに“成長の証”なんだと思います。

『プレゼント』の中では、次のように書かれていました。

「今この瞬間を正しく見ること」で、
“物事の本質”や“自分にとって何が大切なのか”が見えてくる

イヤイヤの嵐に飲み込まれそうなときこそ、
「この子は今、自分の意見をもてるようになったんだ」と受け止めてみると、
ほんの少しだけ、気持ちが軽くなります。

「いま、話を聞く」ことの価値

ある日、2歳の息子が「抱っこしてー」と言ってきたとき、
私はつい「ちょっと今忙しいから」と、適当に返してしまいました。
すると息子は「抱っこ抱っこ抱っこーー!」と泣いて暴れ始めました。
典型的なイヤイヤ期です。
結局抱っこする羽目になり、私の中でなんとなくモヤモヤが残っていました。

そのため、次に同じように言われたとき、別の方法を試してみました。

「お母さんは今忙しいから、10秒だけね」と、10秒間しっかりとハグをしたのです。
すると子供の表情がパッと明るくなり、すんなりと1人遊びを始め、
家事が終わるのを待っていてくれました。

たった十秒くらいのことだったけれど、なんだか心があたたかくなりました。

“いまこの瞬間に集中する”というのは、
「特別なことをする」という意味ではないのかもしれません。

目の前の相手の気持ちに丁寧に向き合うこと。
その小さな積み重ねが、日々の中の幸せを増やしてくれるのだと感じました。

“今”を味わうという育児

この本を読んで、育児の中で感じる焦りや不安、孤独といった感情も、
「今というプレゼントを大切にするための入り口」なのかもしれないと思えました。

赤ちゃんの柔らかい手、あどけない笑顔、2歳児のまっすぐな言葉や気持ち――
きっと今だけのもの。

忙しい毎日で、つい「今やるべきこと」「未来への不安」に目がいってしまうけれど、
少しだけ立ち止まって、今目の前にある愛おしい瞬間を味わっていきたい。

『プレゼント』は、そんな“いまのわたし”に寄り添ってくれるような本でした。

子育て中の方だけでなく、忙しい毎日を送るすべての人におすすめしたい一冊です。

最後に

もしかしたらあなたも、
目の前のことに追われて、自分を見失いそうな日々を過ごしているかもしれません。

でも、ほんの一呼吸立ち止まって、今感じていること、
見えているものに意識を向けてみてください。

それが、“今”という贈り物を受け取ることなのかもしれません。

▼本の情報

📕『プレゼント』
著者:スペンサー・ジョンソン
出版社:扶桑社

💡今日の気づき
大切なものは、いつも目の前にあった。 ただ、それに気づけるかどうかなんだ。

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